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「サービスデザイン倶楽部」の活動を振り返る 〜サービスサファリからサービスブループリントまで〜

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こんにちは、@h0saです。

HCD-Net主催の2014年度 サービスデザイン方法論(全6回)に参加することにしました。

サービスデザインについては、本を読んだり、ワークショップに参加したり、業務で視点や手法を取り入れたりしているのですが、今一度体系的に学んでみたく、受講することにしました。

そして本記事のタイトルの話。昨年にもサービスデザイン倶楽部というロフトワーク主催の全4回ワークショップに参加し、手法をいろいろと体験しました。

参加内容をブログ記事にはしていませんでしたが、受講するサービスデザイン方法論に向けての復習ということで、やったことを振り返ってみます。

 
なお、レポートは共同主催者のDNPサービスデザインラボのサイトにも載っていますので、詳しくはこちらをご覧いただくのがよいかと思います。

Service Design Lab – サービスデザイン倶楽部 Vol.0-
Service Design Lab – サービスデザイン倶楽部 Vol.2-
Service Design Lab – サービスデザイン倶楽部 Vol.3-

Web担のこちらの記事にも詳しいです。(サービスデザイン倶楽部主催者の1人であるロフトワーク棚橋さんの記事です)

カスタマージャーニーマップだけじゃない! 顧客理解を深めるために使い分けたいツール | Web担当者Forum

なお、ワークショップは以下のステップで進められました。

サービスデザインプロセス

引用:Service Design Lab – サービスデザイン倶楽部 Vol.3-

 

Vol.0 START – デザインブリーフ、探求 –

サービスデザインとは

サービスデザインとは、サービス利用者(生活者)が感じる体験価値を重視して、個々のタッチポイントのデザインにとどまらず、事業としてサービス全体をデザインする行為です。

出典:Service Design Lab – サービスデザイン について –

以下の動画を使って詳しく紹介されました。

 

サービスデザインの5つの特徴

・一連の生活シーン(タッチポイント)が対象
・基本的な4つのプロセス、時には反復して進める
・整備されたツール/手法を適宜活用
・共創型(オープンイノベーション)
・2つの視点での人間中心設計(生活者、サービス提供者)

 

サービスサファリ

サービスサファリとは、参加者が「実世界」で実際にサービスを体験し、良いサービスと悪いサービスの事例を集める技法です。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

ワークショップでは、「ここ最近で嫌だったリテール(小売店)での体験」を持ち寄る宿題が課されました。1人1人下記視点でシートに記入しました。

・場所は?同行者は?時間帯は?気分は?
・一言で言うと“どんな嫌な体験”だったのか?
・なぜ、嫌だと感じたのか?

以下は僕の書いたサービスサファリシートです。

サービスサファリシート

 

ヤードセール

自宅の庭で不要品を販売するヤードセール(日本ではフリマ)がモチーフです。庭先に品物を広げて、道行く人に自由に手に取ってもらうような感覚で、壁一面に広げたみんなのアイデアを各人が自由に見て回り、発案者に質問したり、コメントを残していく情報共有の方法です。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

ワークショップでは時間都合のために共有のみ行われました。サービスサファリシートを壁一面に貼り出され、ぶらぶらと読んで歩きました。

その後、リテールが以下のように分類され、チームに割り振られました。

アパレル×2、飲食店×2、家電量販店、スーパー/コンビニ、本屋、その他

僕はメガネ屋の体験を持ってきたので、アパレルチームに行くことに。

アパレルチーム

 

デザインブリーフ

そして、チーム内で持ち寄ったシートを改めて共有し、今後のワークショップで解決したい・デザインしたいリテールを選定しました。結果、靴屋に。(ここで選んだ靴屋が第4回のワークショップにまで続くことに!)

以下のように、「デザインブリーフ」として概要をまとめます。

デザインブリーフ

“デザインブリーフ”とは、デザインを行うための計画書です。
サービスのデザインを行う前に、デザインの目的や進め方、成果の活用イメージなどを明確化し、関与者全員で共有するためのものです。

出典:モノのデザインを始めよう「支援ツール4 デザインブリーフ」

 

ステークホルダーマップ

ステークホルダー(利害関係者)・マップとは、ひとつのサービスに何らかの形で関与する多様なグループ(サービス提供者)の関係性を視覚化したツールです。 各グループの相関関係を図解し、分析することができます。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

以下のテンプレートが各チームに配布されました。

ステークホルダーマップ1

ステークホルダーマップを作成する目的は、サービスに関わるステークホルダーとその関係性を可視化することで、その間にどんな問題や期待があるのかを明らかにしたり、意識していなかったステークホルダーを見つけ出すことです。

テンプレートに書いてある通り、「内部」「外部」という2つの視点でマップを埋めていきます。

以下が僕のチームのステークホルダーマップです。(時間がなかったため分析不足です)

ステークホルダーマップ2

以上がVol.0のアクティビティでした。

 

Vol.1 The Customer Journey – 設計 –

シャドーイング

シャドーイングは、リサーチャーが顧客や現場のスタッフや後方支援スタッフの日々の生活や仕事に身を置き、彼らの行動と経験を観察する技法です。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

Vol.1の宿題として、「シャドーイング」が課されました。僕らのチームはお題が「靴屋」だったので、靴屋での店員やお客さんの行動、お店の状況を観察してきました。

靴屋

以下が気づき。
・平日夕方に行ったら店員さんはヒマそうだった。在庫のチェックなどをしていた。
・靴箱がさりげなく下に並べてある。ディスプレーの一部と化している。
・通行人はやはり入り口付近の商品を横目で見て歩く。

今回もまたリテールごとにチームに分かれ、宿題内容を共有しました。

 

なぜなぜ5回

なぜなぜ5回とは、連続的に質問を重ねることで、ユーザーエクスペリエンスの表面に表れた現象の背後にある理由を掘り下げていき、根底に潜む理由を明らかにする手法です。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

チームでシャドーイングの内容を共有したあと、デザイン課題の定義に移りました。ステークホルダーマップを横目で見ながら、各自が持ち寄った問題点をホワイトボードに書いていきます。

その際、問題点を掘り下げるために使った言葉が「なぜ?」。トヨタ生産方式で有名な「なぜなぜ5回」ですが、デザイン課題を掘り下げるのにも有効です。

なぜなぜ5回

僕らが靴屋の問題で注目したのが、「店員の視線が気になる」というもの。(靴屋だけでなく他の小売店でも言えますが。)それを「なぜなぜ5回」で掘り下げていきます。

店員の視線が気になる → 買わなきゃいけない感 → 試し履きすると断りにくい → 店員の時間を取らせたり、靴を汚してしまう気持ち →→→ 試し履きを自由にできないか?

このような思考・ディスカッションの流れで、僕たちのチームは「試し履き専門店」を提案することになりました。

 

デスクトップ・ウォークスルー

デスクトップ・ウォークスルーは、ミニサイズの立体模型を使ってサービスの環境を再現する技法です。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

日立製作所が提唱する「Business Origami」も同様の技法です。

ワークショップでは、簡易的に付箋を用いて行いました。

フロントヤードとバックヤードの視点で、人や物、環境を可視化していきます。そして付箋を動かすことで、登場人物同士のインタラクションをシミュレートしてサービス案をより詰めていきます。

デスクトップ ウォークスルー

その他のチームのデスクトップ・ウォークスルーも載せておきます。

デスクトップ ウォークスルー2

デスクトップ ウォークスルー3

以上がVol.1のアクティビティでした。

 

Vol.2 Acting Out – 再構成 –

Vol.1 では各リテールでサービス案ができましたが、その中でVol.2 で取り組む課題として、僕らのチームの「試し履き専門店」が選ばれました。

そしてVol.1 での流れをスライドにまとまていただきました。

これまでのまとめ

そして、以下の「アクティングアウト」でサービス案を精緻化していきます。

アクティングアウト

ユーザー体験を演技で表現することで、アイデアの評価・精緻化を繰り返していく、プロトタイピング手法です。

引用:Service Design Lab – サービスデザイン倶楽部 Vol.2-

アクティングアウト

アクティングアウト2

アクティングアウト3

はじめにDNPサービスデザインラボの皆さんが、現在の靴屋での買い物体験をアクティングアウトされました。

そして3チームに分かれて課題を抽出し、「試し履き専門店」という切り口で解決案を考えます。考えた解決案はプロトタイピング(=アクティングアウト)で確認。

お客さんや店員は当然人が演技しますが、モノに関しても、人が演技するのもアリです。その他、周辺にある小道具を使ったり、付箋や紙を使ったりして、手早くサービス案をプロトタイピングしていきます。

最後に各チームでアクティングアウトを発表。「試し履き」という切り口は同じでも、具体的サービス案は異なる結果となりました。

僕らのチームのサービス案は「裸足で自分好みのフットケアを受けながら、優雅に靴選びができるリラクゼーションサロン型の靴屋」となりました。

アクティングアウトの様子

 

Vol.3 Blueprint – 実施 –

サービス・ブループリント

サービス・ブループリントとは、ひとつのサービスを構成する個々の要素を特定し、その詳細を明らかにする技法です。ユーザー体験を決定づける重要な要因や、それを支えるバックヤードの仕組みを可視化することができます。

出典:『THIS IS SERVICE DESIGN THINKING.

最終回は、「サービス・ブループリント」を用いて技術的・ビジネス的実現性を確認します。

サービスブループリント

Vol.2まではユーザー体験を最大化するアイデアを考えましたが、ここで夢見がちなアイデアを実現性の観点で検証していきます。

個人的にはここが一番知りたかったアクティビティであり、理解・実践不足のパートでもあります。きちんと理解したら別途記事にしたいと考えていますが、ここではやった内容を簡単に。

1.ユーザー体験の最大のポイントを明文化

2.体験の最大のポイントを支えるために必要なバックヤードを描く

3.必要となるコスト・ユーザーからの収益を洗い出す

引用:Service Design Lab – サービスデザインラボ –

コストを見積もるのが一番難しかったです。本来であれば、ビジネス面に知見を持つ人などを含めた多様なメンバーでサービス・ブループリントを議論すべきでしょう。

サービスブループリント板書

(クリックして拡大)

ワークショップだったためなかなかうまく議論ができませんでしたが、サービスの実現性をディスカッションするのに有用なツールであることは理解できました。

 

おわりに

以上、2013年8月から2014年1月にかけて、約1ヶ月半に1回のペースで開催された、「サービスデザイン倶楽部」の活動内容を振り返りました。

全回参加でき、初回のアイデアが最終回にまでつながったことは嬉しく思います。

5月10日から始まるサービスデザイン方法論についても、きちんと理解して実践につなげ、デザイナーとして飛躍を目指します。

 

参考書籍

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  • Hiroki Hosaka

    メーカー→IoTベンチャーを経て、グローバルなデジタルプロダクト会社に在籍するUXデザイナー。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。詳細プロフィール

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