「ノザイナー かたちと理由」展 @ggg を見て、自然物と人工物のデザインに思いを馳せてみる

(2020/11/08 更新) デザイン |

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こんにちは、@h0saです。

2016年10月31日の夜、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)で最終日だった「ノザイナー かたちと理由」展に行ってきました。

どうしても業務ではデジタルなモノばかりに触れがちなので、このようなフィジカルなモノの展示に定期的に行きたくなります。

以下、gggのサイトより抜粋。

「ノザイナー かたちと理由」では、「もし全てのデザインが自然の模倣なのだとしたら。あるいはデザインという行為そのものが、自然の進化を無意識にシミュレーションする行為だとしたら」という仮説から、「デザインは、物の生物学だ」という考えに基づき、人工物と自然物を対比させ、かたちの奥にある理由や、デザインを発想する方法に迫ります。

今回の記事では、作品の写真と思ったことをつらつらと書いてみます。

Integration

会場に入ってすぐ、懐かしい電子機器や製品が並べられています。これらはスマートフォンが機能として搭載したモノたちです。こう並べると、改めてスマホの多機能さを思い知らされます。

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この展示を見て、こちらの動画を思い出しました。

Deconstruction

上記のIntegrationと並んで床に展示されていたのがこちら。

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扇風機を分解したものと、自然物を分解したもの。扇風機はさまざまな部品から構成される一方、自然物の構成はミニマルで効率的。

これを見て、スキューモーフィズムとフラットデザインは、フラットデザインの方がより自然物に近いのでは、と思ったりしました。

Texture

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続いてこちらは、蝶の質感を人工素材で表現する試み。

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人工素材の質感は結構リアルでした。生物はインスピレーションの源泉ですね。最近子どもと一緒にいろいろな図鑑を眺めることも多いのですが、大人になった今でも知らないことがたくさん書いてあって楽しいです。

Pattern

次は、自然物が織りなす模様、パターンについて。

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黄金比とか、フラクタルとか、自然が織りなす美の話は結構好物です。大学時代に読んだこの本を思い出しました。(今は増補改訂版になった模様)

いま子どもが貝拾いにハマっており、いろいろな貝を拾うのですが、その造形はさまざまで本当に生物は奥が深いなと最近特に思うようになりました。

Evolution

こちらは、乗り物の進化を動物の進化になぞらえた展示。(ちょっとこの写真ではわかりにくいですが)

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発想が面白いですね。このように並べると、人工物の進化スピードがいかに速いかがわかります。

Transformation

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こちらは「変形」によって多様性が生まれることを示した展示。確かに、要素間のちょっとした比率を変えるだけで、全く違うものになりますね。椅子がベンチになったり、iPhoneがiPadになったり。

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Force

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ただ吊るしたロープを並べるだけで、美しいと思ってしまいます。解説には、

人が最も美しいと感じる線の一つに、カテナリー曲線がある。これは、両端に持った紐を垂らした時に自然にできるカーブのことだ。重力への拮抗から自然に描かれたその線は、構造的に理想的なアーチ形状でもある。

とありました。4年前にサグラダ・ファミリアを観に行ったときも、同じような説明が書いてあった記憶があります。と写真を掘り起こして貼ってみます。

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影もまた美しいですね。

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Fluidity

最後のこの作品は、黒地のキャンバスに白い砂が蠢くだけの展示なのですが、とても有機的で何か生命を感じさせられました。どうやって作ったんだろう。

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このGIFの動画で動きが伝わるでしょうか。

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おわりに

以上、「ノザイナー かたちと理由」展の写真と感想でした。

自然物やバイオ◯◯といった分野は、まだまだ参考にすべきことがたくさんあるし、デザインへの応用の可能性も無限だなと思った次第です。

参考書籍

ノザイナー太刀川氏の思考術、心構えが語られている書籍。

デザインと革新 未来をつくる50の思考/太刀川瑛弼

Hiroki Hosaka

AIベンチャーのUXデザイナー/デザインマネージャー/CXO。メーカー→IoTベンチャー→外資系デザインコンサルを経て現職。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。
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