2016秋のデザイン展巡りで気になった作品を振り返る

(2020/11/08 更新) デザイン | ,

こんにちは、@h0saです。

今年もデザインウィークの季節になり、いろいろと回ってきました。いくつか気になった作品を振り返ってみます。

 

デザインの解剖展

21_21 DESIGN SIGHTで開催されている、デザインの解剖展

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公式サイトによると、

「デザインの解剖」は、グラフィックデザイナーの佐藤 卓が2001年より取り組んでいるプロジェクトで、身近な製品を「デザインの視点」で解剖し、各製品の成り立ちを徹底して検証する試みです。本来の「解剖」が生物体を解きひらき、構造や各部門の関係、さらには条理を細かに分析していく行為であるように、ここではデザインを解剖の手段として、とりあげる製品のロゴやパッケージのレイアウトや印刷などのグラフィックを解析し、製品の内側の仕組みまで細かな分解や観察を重ねます。

とのこと。確かに、1つの製品あたり生産から販売を経て、人の味覚に届くまで、すごい範囲の解剖がなされていました。

まず、「ここからの展示について」の説明が、時間のない人向けとある人向けに説明されてて、好感が持てました。

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これは食べてみたい。

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昔のパッケージが逆に新しく見える。

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中蓋はこんな風に印刷されているのか。

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間違い探し。

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このブースは大人気。発想が面白いです。

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以上がデザインの解剖展でした。会期は2017年1月22日までとのことです。

 

GOOD DESIGN EXHIBITION 2016

続いて、GOOD DESIGN EXHIBITION 2016(2016年度グッドデザイン賞受賞作品展)へ。

グッドデザイン大賞の、オーサグラフ世界地図。「大きさや形の歪みをおさえた正確な地球の全体像を示す四角い世界地図」で、16世紀以来の発明とのこと。すごい。

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こちらはグッドデザイン金賞の、ソニーが手掛けるロボット・プログラミング学習キットKOOV。2017年3月発売とのことで、子どもと一緒に遊べそうで興味あり。

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同じくグッドデザイン金賞の、Seaboard RISE。マルチタッチに対応したピアノキーボード型の楽器。表面はシリコンで覆われ、触り心地も良かったです。

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UIもCool.

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以下からは通常の受賞製品です。

前から気になっていたサンスターのスマート歯ブラシ。ここで見て思い出したので、公式サイトからポチりました(Amazonでは売っていない模様)。後日使用レポート書くかもしれません。

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スマートタグ製品2つ。落とし物追跡タグの先駆け Mamorio と ソニーから生まれたジョイントベンチャーQrioのスマートタグ(未発売)。2つの製品を比べると思想が対照的で面白いです。

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どちらとも探しものを探すために「他人の力を使う」というのは共通ですが、Mamorioは電池内蔵式(寿命約一年)でボタンもなくサイズを最小化している一方、Qrioのスマートタグは、ストラップと電池の交換が可能で、ボタンを押すとリンクしたスマホも探してくれるというもの。ミニマル vs 多機能、好みが分かれそうです(個人的にはMamorioの割り切りは好き)。

 
テプラの文字入力はなんて面倒なんだろう、スマホで簡単に入力できるもの出ないかな、とずっと思っていたら出ていました。ブラザー工業のP-touch

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グッドパッチのBalto。応援しております。

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サムスンのテレビ、OOBE (Out-of-box experience)のUXでグッドデザイン賞をもらっている事例。

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都市独自のフォントを用いて都市のアイデンティティを強化するという、都市フォントプロジェクト。面白い。

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実際のパフォーマンスを間近で見てみたい、Orphe

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以上がグッドデザイン賞受賞作品展でした。会期は本日(2016年11月3日)まででした。

 

トラフ展 インサイド・アウト

TOTOギャラリー・間で開催されていた「トラフ展 インサイド・アウト」にも脚を運びました。

トラフ建築設計事務所のこれまでの仕事がずらっと並べられていました。

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見ての通り、線路が作品の間をぬっているのですが、この上の階ではこの線路を走る電車の視点から、各作品を解説する動画がありました。

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外→中という視点でまず作品を眺めて、中→外という視点で作品を理解する、という流れ。(これが”インサイド・アウト”という展覧会名の由来とのこと。)観せ方がユニークでした。

少ない写真と言葉だけでは伝わりづらいので、興味を持たれた方は訪れてみてください。会期は2016年12月11日まで。

 

TOKYO DESIGN WEEK 2016

明治神宮外苑で毎年恒例のTOKYO DESIGN WEEKにも脚を運びました。

一番の目的は、ソニーの Motion Sonic Project の展示を見ることだったのですが、なんとその展示は前期で終わってしまっており、残念なことに展示されていませんでした。。(事前のリサーチ不足。)

どんなものなのか、参考動画だけ貼っておきます。

 
他に、インタラクティブ系の展示で気になったものをいくつか。

下の動画はアスカネットのタッチ操作できる空中ディスプレイです(液晶表示のように見えますが、実際は下から投射されています)。「触る」という触覚的なフィードバックがないものの、視覚的な変化で “操作している感” はありました。

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同じような展示を Docomo もしていました。空中ディスプレイに表示された粘土状の物体を手でこねてスマホの形をつくる、インタラクティブな展示。センサー感度は微妙なところでした。

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HAPTIC DESIGN の、こちらの展示も面白かったです。左手にハンバーグ状の装置を持ち、右手で聴診器のようなものを持って物体の上をこすると、その感触がが振動として左手の装置に再現されるというもの。こすることで出る音の低音域を振動として変換しているとのことでした。

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おわりに

以上、2016年秋のデザイン展巡りで気になった作品を振り返ってみました。この時期を越えるといよいよ冬、という感じがします。

ではまた。

 

参考書籍

Hiroki Hosaka

AIベンチャーのUXデザイナー/デザインマネージャー/CXO。メーカー→IoTベンチャー→外資系デザインコンサルを経て現職。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。
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