「指を置く」展を体験して “メンタルモデル” について考えた

先日、銀座グラフィックギャラリー(ggg)で開催されている「指を置く」展に行ってきました。

この展覧会は、佐藤雅彦と齋藤達也が「指(身体)とグラフィックデザインの新しい関係」をここ数年探求してきた中で生まれた新しい表現、新しい表象、新しい可能性を、会場で来館者自らがさまざまなグラフィックに「指を置く」ことで体感してもらうものです。
「指を置く」展 佐藤雅彦+齋藤達也 | ggg ギンザ・グラフィック・ギャラリー

指を置く

「エネルギーを発動する指先」 ©佐藤雅彦+齋藤達也
引用:「指を置く」展 佐藤雅彦+齋藤達也 | デザイン・アートの展覧会 & イベント情報「イベントエース」

上の写真にもある通り、印刷されたグラフィックに「指を置く」ことで、いろいろな感覚が呼び起こされます。

会場には40〜50作品ぐらい展示されており、意外とボリュームがありました。

普段僕はGUIをデザインすることが多く、触って反応がある世界にどっぷりと浸かっています。

しかしこの展覧会で展示されているのは、すべて「」。指を置いても見た目に変化はありません。ところが、指を置いた途端、脳内のどこかが “ジワッ” と反応するのです。

これは巧みにデザインされたグラフィックによるものではありますが、そのグラフィックは僕たちの「メンタルモデル」を刺激しているのだと思いました。

メンタルモデルとは、人間が外界のものごとに対して見通しをつけるために「これはこういうものだろう」と心に思い浮かべるモデルのこと。
引用:コトバンク

「これはこう反応するだろう」というものがグラフィックで表現されていれば、なんとなくすっきりして安心するし、逆に期待を裏切る反応がグラフィックで表現されていると、脳にぼんやりとた “ひっかかり” が残ります。

これらの感覚を僕なりに表現すると「脳内のどこかが “ジワッ” と反応する」なのです。

作品の一部には解説がついており、それを読むと「ああ、だからこう感じたんだ」と納得させられます。

普段、コンピューターの画面ばかり見ている人・触っている人は、来展をオススメします。動かないグラフィックの力を改めて感じさせられました。銀座にお立ち寄りの際はぜひ。

会期は2月28日(金)までとなっていますのでお早めに。開館時間は11:00〜19:00。入場無料です。

Hiroki Hosaka

AIベンチャーのUXデザイナー/デザインマネージャー/CXO。メーカー→IoTベンチャー→外資系デザインコンサルを経て現職。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。
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