認知心理学とUIデザインに関するメモ

(2018/01/01 更新) UIデザイン | ,

認知心理学

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こんにちは、@h0saです。

約1ヶ月経ってしまいましたが、2014年7月17日に開催された、HCD-Net主催セミナー「認知心理学とUI,UX入門」に参加してきました。

UIデザイン業務に活かせる内容でしたので、ポイントを絞ってメモを残しておきます。

 

「認知心理学とUI,UX入門」メモ

認知心理学とは

・人の頭の使い方:知覚・理解・記憶・思考・学習・推論・判断・問題解決などの知的機能が研究対象。

・最近では、感情、感性、熱達、実践等の問題にも取り組むようになっている。

 

認知情報処理(人の頭の使い方)

・知覚(五感)
  ↓
  ↓←注意
  ↓
・認知
  ↓
・記憶(短期記憶、長期記憶)
  ↓
・理解(理解の枠組み=メンタルモデル)
  ↓
・判断

 

短期記憶

・短期記憶の記憶容量:7±2単位、保持時間2〜5秒

・短期記憶はどんどん上書きされるので、意味づけして長期記憶に残す必要がある

チャンク化

知識を利用し、知識に関連付けて、より大きな意味的まとまりをつくると記憶量、理解量が増す

 

スキーマとスクリプト

スキーマ

・スキーマ:ある対象についての一般的、通称的な知識

例)「彼女は金髪の美人で、目は青い」→ 顔についての一般知識を利用している

 

スクリプト

・スクリプト:定型的な一連の出来事の知識

例)レストランでは、入場→注文→食事→退場 の順で行動する

 
→あることが認知されたとき、適切なスキーマ、スクリプトが活性化されることで、「理解」に至る。

逆に言うと、例えば曖昧な言葉を聞いた時、人によって活性化されるスキーマ・スクリプトが異なるため、理解にズレが生じる場合がある。

→文脈を共有するなど、スキーマのずれを想定して情報をデザインする必要がある

 

行為遂行とその評価プロセスのモデル

ドナルド・A・ノーマンが提唱した実行と評価の橋渡しモデル。

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引用:interaction: ソーシャルメディアマーケティングのHCI観点からのインプリケーション

このように実行と評価の段階を細かく分け、それぞれを分析することが役に立つこともある。

 

アフォーダンスとシグニファイア

アフォーダンス

・環境が動物に提供する「価値」「意味」

・アメリカの生態心理学者J.ギブソンが動詞 afford から造語した用語

・個体にとっての環境は、アフォーダンスが時空間的に配置されたもの。個体は、その時々のニーズに応じたアフォーダンスを知覚し、行為する。

行為を(認知を介せずに)直接的に引き起こす環境の性質

 

シグニファイア

・何をすべきかを伝えるシンボル/行為の手掛かりになるもの

 
@h0sa註:シグニファイアは知覚可能だが、アフォーダンスは知覚可能ではない。ノーマンの著書『誰のためのデザイン?』(1988年原著発売)では “アフォーダンス” を知覚まで含める表現にしていたが、12年後の著書『複雑さと共に暮らす』(2010年原著発売)において知覚まで含めるものを “シグニファイア” として別の言葉を使うように改めた。

 

習熟とエラー

習熟段階:認知的段階 → 体制化の段階 → 自動化の段階

 

認知的段階:知識ベース・・・初級者

特徴を感知
 ↓
認識(あの状況)、知識呼び出し(どうする?)、動作プラン(こうする)
 ↓
その操作系列の呼び出し
 ↓
動作

 

体制化の段階:手続き化されたルールベース・・・中級者

特徴を感知
 ↓
再認(ああ、あれだ)
 ↓
一連の操作系列の呼び出し
 ↓
動作系列

 

自動化の段階:スキルベース・・・上級者

特徴を感知
 ↓
自動化された動作系列

 
習熟レベル別にエラー対策が必要。

初級者:知識ベースのミス → 参照資料やガイドを準備

中級者:判断の誤り、行動の失敗 → 練習(判断と行動の対応を強化)

上級者:予期的反応によるエラー → あえて行動を意識させる

 

おわりに

僕は大学でデザインを学びましたが、「認知心理学」に特化した授業はなく、ノーマンの著書『誰のためのデザイン?』『エモーショナル・デザイン』『複雑さと共に暮らす』あたりを読んでいただけだったので、今回改めて認知心理学についての講義を聴くことができ、勉強になりました。

個人的には「スキーマ/スクリプト」「習熟とエラー」あたりの話が目新しかったので、今後意識してみます。

 

参考サイト

認知心理学系認知科学とUI、UX入門 2014年07月17日 – 隣り合わせの灰と青春

 

参考文献

心理学とUIデザインと言えばこの本。読みやすくて視野が広がり、オススメです。

Hiroki Hosaka

AIベンチャーのUXデザイナー/デザインマネージャー/CXO。メーカー→IoTベンチャー→外資系デザインコンサルを経て現職。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。
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