Product Hunt の「◯◯ for X」という特集で2014年のサービストレンドを振り返る
こんにちは、@h0saです。
Product Hunt というサイトをご存知でしょうか。
Product Huntはユーザーが気になるプロダクトを投稿・投票し合える掲示板的なサービスで、今海外で注目されているプロダクトを一覧することができます。
Product Hunt
参考:海外で注目のサービスが一目で分かる!HackerNewsのプロダクト版、Product Huntとは?創業者Ryanへのインタビュー | TechWatch
僕はメール購読をしていますが、毎日得票数の高いプロダクトのリストが送られてきて朝に目を通すのが日課となっています。
また、最近「コレクション」機能が追加されてより利便性が増したのも記憶に新しいです。
参考:Product HuntでユーザがCollections(好きなプロダクトのコレクション)を作れる…このサイトの人気機能になりそう – TechCrunch
さて、Product Huntでは過去に不定期で特集が組まれており(*)、その中でも特に、”◯◯ for X” という特集が、新規サービスやビジネスモデルを考える上で興味深かったので、以下にまとめつつ2014年のサービストレンドを振り返ってみます。
* Anonymous Apps や Emoji Apps といった特定のコレクションが不定期にメール配信されていました。なぜかProduct HuntのWebサイトからは直接飛べず、検索もしくは知っている人しかアクセスできない状態となっています。
Contents
2014年 Product Hunt “◯◯ for X” まとめ
“◯◯ for X” というのは、”◯◯” というプロダクトのサービス構造を “X” に当てはめてみたよ、という意味です。
以下の4つがありました。
それぞれ簡単に説明していきます。
Uber for X
Uberはもはや言わずもがな、アプリを利用して「その場で」ハイヤーを呼ぶことができるサービス。11月に日本上陸一周年を迎えたそうです。
決済はオンラインで自動に行われるので財布を出すことも不要で、優れたUXを提供しています。
“Uber for…” というのはつまりは、「オンデマンドかつオンラインで決済するサービス」ということになります。
Product Hunt で紹介されているのは以下のようなサービスです。
- Push for Pizza – どこでもピザを宅配してくれるサービス
- Bannerman – いつでもガードマンを呼べるサービス
- Medicast – いつでも医師を呼べるサービス
IoTやウェアラブルデバイスの発展で、こうした「オンデマンド」なサービスはより生活に溶け込んでいくでしょう。
Airbnb for X
Airbnbももはや説明不要でしょう。「空きスペースを貸したい人と借りたい人をマッチングする」というビジネスモデルで成功しました。
参考:デザインがビジネスに与える影響 〜収益週200ドルのAirbnbが急成長した秘訣とは〜 | freshtrax | btrax スタッフブログ
“Airbnb for…” というと、「モノや空間を貸したい人・借りたい人をマッチングするするサービス」ということになります。
Product Hunt で紹介されているのは以下のようなサービスです。
3つ目のHolidogsなんかは面白いと思いました。需要と供給をWebを使ってマッチングさせるサービスはまだまだ可能性がありそうです。
Tinder for X
Tinderは日本で流行っているのかはよく知りませんが、位置情報を使った出会い系サービスです。
アプリ業界では、「好き/嫌い」を左右のフリック操作でじゃんじゃん評価していく “Tinder風UI” が流行りましたね。
“Tinder for…” というと、「“Tinder風UI” を使って自分に合った人・モノ・コトを見つけられるサービス」という感じでしょうか。
Product Hunt で紹介されているのは以下のようなサービスです。
Tinder for X は日本でも Yahoo! Sonomy(X = おでかけ)などを普通に見かけるようになりました。
Yo for X
Yoが出てきたときはちょっとびっくりしました。たった一言、”Yo” とだけでメッセージをやりとりできる、極めてシンプルなサービスです。インタラクションもワンタップのみ。
“Yo for…” は「極めてシンプルな機能・インタラクションのサービス」とでも言えるでしょうか。
Product Hunt で紹介されているのは以下のようなサービスです。
- Beer?! – “Beer?!”だけでコミュニーケーションを取れるアプリ
- Lo – ワンタップで相手の位置情報を聞ける/自分の位置情報を教えられるアプリ
- LovZ – ハートマークだけ送受信できるアプリ
この方向は、少ないインタラクションが求められるウェアラブルデバイスにより適合していると思います。逆に言えば、ウェアラブルのアプリを考える際にこの超シンプルな “Yo for X” が参考になるのではないでしょうか。
おわりに
この記事を書いていて驚いたのは、上記特集内のリンクがいくつも切れている・なくなっていることでした。それはつまり、すでにサービスを終了しているということ。
流行りに乗るだけではダメで、真にユーザーに響くサービスしか残らないということでしょう。厳しい現実ですが、当然とも言えます。
来年も “◯◯ for X” と呼ばれるビジネスモデルがきっといくつも出てくると思われますが、流行りに流されずに「なぜその体験がユーザーの心を掴んでいるのか」「サービスの本質は何か」を見極めながら情報をWatchしていきたいものです。
参考文献
様々なビジネスモデルを知るには、こちらの本が参考になります。