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「面白法人カヤック流 バズるアイデアの話」がさすがに面白かった

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先日、東京ミッドタウンの武蔵野美術大学デザイン・ラウンジで開催された「面白法人カヤック流 バズるアイデアの話」を聴いてきました。

社員さんによるライトニングトーク/クリエイティブディレクター植村啓一氏による講演/パネルディスカッション の3部構成でした。

さすがカヤック、テーマが「バズるアイデア」ということもあり、話のネタが面白い。僕はおカタい系のメーカーに属しているのですが、社内では絶対に聞かないようなオモシロネタが満載でした。

今回は、特に興味深い話を聴けた「ライトニングトーク」と「植村啓一氏の講演」の2つの内容をご紹介します。

 

第一部 カヤック社員によるライトニングトーク

画像1枚で時の人になる方法

はじめはデザイナー(意匠部)の越後氏によるお話。「ネタ画像はバズの宝庫」という趣旨の話でした。バズるネタ画像には、

旬・定番なネタを仕入れてツッコミどころを残し、求められている人や場所・タイミングを見極める

ことが必要だそうです。

最近の例として挙げられていたのがこの画像。

漫画家TAKUMI氏による、フィギュアスケートの羽生選手をジョジョ風に描いた絵です。羽生選手が金メダルを獲ったという朝のニュースを見た直後、5時間かけて仕上げてTwitterに上げたそうです。40000RT超え。僕自身もTwitterで流れてきて初めてTAKUMI氏の存在を知りました。

まさにネタ画像をバズらせたお手本でしょう。

 

技術×デザインで夢を実現する

続いてデザイナー佐々木氏のお話。「デザイナーが技術を知ることで夢を実現できる」という趣旨の話でした。

以下の実例を紹介されていました。

<カヤックの仕事>

エクストリームスポーツを楽しくするウェアラブルデバイスを開発

iPhoneにデバイスをつなげると焼き肉の香りが出てくる

スマホで家中の家電を赤外線操作できるプロダクト
オープンソースプログラム

<業務外>

一番熱く語られていたのは、最後の業務外の話。Google MapのAPIを利用することで、女性の身体をマップに見立ててズームインしていくという発想(笑)。しかもストリートビューまで可能。見事です。

 

ブルーパドルを探そう

最後に登場されたのが、アートディレクターの佐藤ねじ氏。佐藤氏の話が一番印象に残りました。

佐藤氏の主張は、「ブルーパドル(=水たまり)を探そう」。

よく「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」という言葉を耳にしますが、「ブルーオーシャン」は簡単には見つかりません。そこで、レッドオーシャンの中にも目を凝らすと存在する小さなブルーオーシャン=ブルーパドルを探そう、というのが佐藤氏の提案です。

以下、その事例を紹介されました。

①しゃべる名刺

iPhoneの画面サイズと名刺のサイズがほぼ同じであり、名刺の上からでもタッチパネルが反応することを利用した、しゃべる名刺。

名刺のデザインも多種多様なものがありますが、このようなインタラクティブな名刺はまさに「ブルーパドル」。純粋に面白いです。

 

②貞子3D2 スマ4D アプリ

Sadako

映画上映中、スマホアプリを起動すると追加の体験が得られるアプリです。

画面と連動するのは当たり前。考えられるパターンを全部出したとのこと。(演出例:電話かかってくる、カメラが勝手に起動する、大声で叫ぶ、etc)

また、アプリの容量を抑える配慮をし、なるべくスマホの内のデータを使うようにしたそうです。(演出例:スマホ内の写真削除、大量のプッシュ通知、勝手に連絡先内の人に電話)

観終わった後も、夜中0時に貞子から電話がかかってくる演出をしてSNSでかなり反応があったそうです。

「映画」という既存体験に新しい体験を付加した事例、参考になります。

 

③自身のブログ

ブログもまだまだスキマだらけ、と佐藤氏は言います。

佐藤氏はアイデアの0.5pxという個人ブログも運営されており、「空いてる土俵」を探すという考え方のもと記事を書かれています。

例)
・退職ブログではなく「在職ブログ」
・目をつぶって顔でブログを書く

ブログを拝見しましたが、かなり面白いです。このブログにも取り入れるべきところ、見習うべきところがあると思いました。

 

ブルーパドルを見つける3つのポイント

1. 組み合わせの可能性を全部出す
2. 使われるシーンを具体的に想像する
3. 当たり前を小馬鹿にした目線で見つめる

参考にさせていただきます。

 

第二部 クリエイティブディレクター植村啓一氏による「バズるアイデア」の話

植村氏はバズを起こした広告を多数手掛けたクリエイティブディレクターです。

参考:The Works KEIICHI UEMURA

バズを起こした事例を3つ紹介していただきました。

事例1: LAFORET GRAND BAZAR

Laforet Grand Bazar

ライゾマティクスの真鍋大度氏の口の中でLEDを光らせるアイデアを、2011年のラフォーレグランバザールの広告に取り入れられたそうです。

日本のメディアよりも先にNEWYORK TIMES に取り上げられ、その後逆に日本のメディアに取り上げられたとのこと。

「日本→世界」というバズり方ではなく、「世界→日本」というバズり方だったのが興味深いですね。

 

事例2: HOT WHEEL

Hot Wheels

アメリカMattel社の、HOT WHEELSというミニカーブランドの広告です。

日本ではミニカーといえば”トミカ”が盤石の地位を築いているため、単にミニカーを広告として見せても意味がない。そこで、Mattelが販売している日本でも有名な”バービー人形”を広告として起用したそうです。

その姿は衝撃的な、「怪我している」姿。

クライアントは初めこの提案を聞いて怒ったそうですが、実際に広告を打ったらバズってとても注目されたので、意見がひっくりかえったそうです。

「見てはいけないものを見た感」が絶妙でバズを引き起こしたのではないかと思います。

 

事例3: 日比谷花壇「ありがとう弁当」

日比谷花壇というお花屋さんの広告。広告というより「サービス」の提案です。以下の動画をご覧ください。

愛妻弁当を持つ男性に向けて、食べ終わった弁当箱の中に花を込めて持ち帰り、奥さんにサプライズを与えて感謝の気持ちを伝える、というストーリー。

広告の依頼だったそうですが、花という「モノ」ではなく、”花で感謝を伝える”という「体験」に着目し、「バズる施策」として提案をされたそうです。

一部店舗でのみ行われたようですが、お客さんの反応が良く今では全国展開に向けて動いているとのこと。

これはもはや、優れたサービスデザイン/UXデザインと言えます。優れたUXであれば、シェアされることでその体験自体が広告になる。もはやコミュニケーションデザイナーの仕事とUXデザイナーの仕事の境界が曖昧になってきている事例ですね。

 

おわりに

クリエイティブ業界といっても、真面目なモノから面白いサービスまでとても幅広いです。どちらかと言うと「真面目系」なジャンルの仕事をしている僕からすると、カヤックの仕事はある意味対局にあり、それが逆に刺激的・魅力的でした。

何か1つ、面白いアイデアをパパっと実現したくなりました!

 

参考書籍

面白法人カヤックのアイデアについての本と言えばこちら。社長の柳澤さんのアイデアに対する考え方が面白く参考になります。

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  • Hiroki Hosaka

    メーカー→ベンチャー勤務のUXデザイナー。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。さらに詳しいプロフィールはこちら

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