短時間で大量のアイデアを出す発想法:「クリエイティブマトリクス」

(2020/11/21 更新) アイデア/インスピレーション |

Creative Matrix catch

photo credit: Leo Reynolds via photopin cc

こんにちは、@h0saです。

短時間で大量のアイデアを出さないといけない!となったとき、皆さんはどんな手法でアイデアを出すでしょうか?

ひたすらブレスト? みんなでスケッチ? はたまたマインドマップやマンダラートにとにかく書いていく?

・・・今回は、そんな “短時間で大量の相手を出さなければならない” ときに効果的な「クリエイティブマトリクス」という方法をご紹介します。

引用元は、こちらの本。

この本はイノベーションのためのHCD(Human-Centered Design)メソッド集で、LUMA Instituteというアメリカのイノベーション教育会社が発行しています。

内容紹介一部抜粋:
This handbook is your essential resource for innovation. It’s a compact reference book describing thirty-six methods of Human-Centered Design, organized by way of three key design skills:
– Looking: Methods for observing human experience
– Understanding: Methods for analyzing challenges and opportunities
– Making: Methods for envisioning future possibilities

それでは以下から具体的にやり方を説明していきます。

 

クリエイティブマトリクスを使ったアイデア出し

クリエイティブマトリクスは、縦軸と横軸に別々のカテゴリーに属するテーマを複数並べ、テーマ同士を掛け合わせて強制的にアイデアを発想させる手法です。

短時間に大量のアイデアを出したい時、かつゴールが漠然としていたりスコープが広すぎたりしている場合に有効です。

具体的には以下のステップで進めます。

1. 縦横軸のテーマを決める

クリエイティブマトリクス1

引用:How to Use Design Thinking Methods to Improve Your Nonprofit’s Strategy and Measurement | Beth’s Blog

まずは、縦軸と横軸のテーマを設定します。先にご紹介した本では、縦軸は人に関係したもの(例:ペルソナ、セグメントなど)、横軸は問題を解決する手段(テクノロジー、環境など)が良いとされています。

アイデアを出すことを目的としているので、ここで使うペルソナは捏造ペルソナでもよいでしょう。

横軸の問題解決手段としては、プロジェクトのゴールに関係して、アイデアに広がりをもたらしそうなものをピックアップするのが良いでしょう。

このテーマ決めはプロジェクトのコアメンバーで行い、以降のステップは人数を多く集めてワークショップ形式で行うと多様なアイデアを得られやすいと思われます。

 

2. 1マスずつアイデアを出していく

クリエイティブマトリクス2

引用:How to Use Design Thinking Methods to Improve Your Nonprofit’s Strategy and Measurement | Beth’s Blog

次に、1マスずつ時間を区切ってブレストを行っていきます。

付箋1枚に1案ずつ書いて、マス目に貼り付けていきます。ここでのコツは、

・とにかくアイデアを出すこと。
・ポンチ絵でもいいのでなるべくビジュアル化すること。

その他のブレスト時に気をつけたいことは過去のエントリでまとめました。

参考:皆でアイデアを出す前に見返したい!ブレストのルールまとめ | UX INSPIRATION!

個人的な経験だと1マスアイデアを出すのに5〜10分ほど必要です。

全部で20マス分あるとすると、大体100分〜200分、2〜3時間はかかります。この手法はかなり脳のエネルギーを消費するので、適度な休憩時間と糖分(お菓子)は必須です!

 

3. 投票する

さて、各マスを全部埋めてアイデアを出して大満足!お疲れ様でした!・・・となる前に。

記憶が新しいうちに、大量に出たアイデアの中から芽のありそうなものを投票しましょう。

視点は「面白い」もしくは「広がる可能性がある」。アイデアの選び方については石井力重さんの以下のやり方が参考になります。

参考:アイデアの選び方【3】 – 力重の「ブレインストーミング考」

大体20%ぐらいに絞ったら、その後はKJ法でグルーピングしてさらにそこからブレストしたり、各アイデアを深堀りしたり、プロトタイプを作ってしまったり、、、
と、その時のベストなやり方でアイデアを煮るなり焼くなりしましょう。

 

おわりに

以上、短時間で大量のアイデアを出すのに有効な「クリエイティブマトリクス」という手法をご紹介しました。

縦横軸のテーマを決めるのに少し準備が必要ですが、本当に幅広く多様なアイデアがたくさん出るのでオススメですよ。

 

参考文献

改めて、今回引用した本。

こちらの本も、イノベーションのための101のメソッドが書いてありお勧めです。

Hiroki Hosaka

AIベンチャーのUXデザイナー/デザインマネージャー/CXO。メーカー→IoTベンチャー→外資系デザインコンサルを経て現職。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。
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