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スマイルズ遠山正道氏とゲームクリエイター水口哲也氏の対談:「デザイナーはビジネスをデザインできるか?」が面白かった @CEATEC

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10月2日の午後、CEATECでJEITA主催のセミナーを聴いてきました。

テーマは「デザイナーはビジネスをデザインできるか?」。

登壇者はスマイルズの遠山正道氏、ゲームクリエイターの水口哲也氏。

お二人についてはネット記事を読んだり本を読んだりで知っていたので、どのような話が聴けるが楽しみでした。

 

いきなり結論

テーマの回答としては、

「デザイナーはビジネスをデザインできる

です。水口さんが明言されました。

しかし正直、セミナー内容としてはテーマについてというより、お二人のこれまでの実績紹介がメインでした。

特に遠山さんのお話は、ご本人がかなり個性的なこともあり面白かったです。遠山さんの印象は、「自分が良いと思ったものを、体温を上げて情熱をもってやる」、右脳派の人。

一方水口さんは、遠山さんとは対照的で、左脳派の人。ゲーム業界出身のため人間の「欲求」に対して深い造詣があり、「Why」と問いかけることで”Wants”に掘り下げていく。

以下、それぞれのお話のメモです。

 

スマイルズ 遠山正道氏のお話

Soup Stock Tokyo, giraffe, pass the baton, my panda という4つのブランドを経営。

三菱商事で商社マンとして働いていた。

32歳のとき、将来を憂いて個展をやりたくなった。先輩から「年齢は三捨四入」という言葉を聞き、すぐに始めた。

その後、社内ベンチャーを立ち上げるに至った。

 

Soup Stock Tokyo

「スープを飲んでほっとする女性」のイメージが思い浮かび、企画書を書いた。

企画書は物語風。”アキノツユ”という女性が出てくる。(←ペルソナ手法みたい)

三菱商事でPCメールを導入する際、物語を書いて上司たちに伝えたら採用された成功体験から、企画書を物語風にした。

ケンタッキーフライドチキンへ出向して、外部の立場からビジネスを提案した。内部からより、外部からのほうが新しいことをしやすい。

企画書に「Soup StockがJALの機内食に」と書いておいたら本当に実現した。書いておくと実現する。人は断言する人に弱い。

VIコンセプト:「スープに色があるので、素材以外の余計な色は使わない」「装飾的より機能的」「ロゴはTimes New Roman(どこでも使える)」

利益が安定するまで8年かかった。

 

giraffe

サラリーマンもっと自信もてよ!という想いでブランドを作った。

体温別(34° 36° 38° 40°)でカテゴライズ。

ネクタイ市場は右肩下がりだったが、giraffeの売上は右肩上がりとなった。

 

pass the baton

丸の内のど真ん中でリサイクルショップを立ち上げたら面白いのでは?との思いで企画した。

(時間がなく詳細説明は省かれました)

 

手紙

最後は、雑誌PENにも載った社員に向けた手紙を披露されて締めとなった。

(手紙の原文はご本人のブログから読むことができます。遠山さんは、こういった文章を書くのが好きなのだそうです。)

 

ゲームクリエイター 水口哲也氏のお話

音楽と映像の融合や「共感覚」をテーマに仕事してきた。

最近では人間の欲求(Wants)をテーマにダイヤモンド社とワークショップを行っている。

未来の兆候

・クラウド

・デモクラタイゼーション - クリエイティブの民主化
例)クックパッド、ニコ生、OUYA
民意、自分事にしたい、クラウドファンディング

・ソーシャル
マスメディアからソーシャルメディアへ。
外見から中身へ。→『中身化する社会』

・パッケージからサービスへ From atom to bit
フリーミアム

・3Dプリンター

・3年後、無線LANの速度10倍に

 

Wants論

「この世の中は人間のWantsが外在化したものでできている。(自然を除く)」

集めたい、育てたい、競争したい、解明したい、愛したい、愛されたい
踊りたい、歌いたい、音楽が好き、料理が好き

ポケモンの例)子供は本能的・先天的な欲求により反応するが、大人になると後天的な欲求に反応する。

「音楽が好き(like)」は “Why?” と問いかけを繰り返すことで、Wantsに分解できる。創る者として、この問いかけは重要。

「健康でいたい(Wants) 」は同じく “Why?”と問いかけることで、欲求を因数分解できる。

(ゲーム業界にいたときにインスピレーションへの根拠を求められ、Wantsへ分解していく考え方にたどりついた。)

欲求は、「自分のため」「他社のため」「自然・環境のため」のいずれか。

「プロダクトデザインの歴史とは、我々の身体や感覚の延長に欲求や本能を外在化してきた歴史」。

デザイナーの役割とは、Wants設計をすること。

デザインとは、そのWantsを実現できるHowの道筋を設計すること。
サービスとは、その循環や化学反応を起こすこと。

Wants設計をすればビジネスのデザインもできる。

 

質疑応答

Q. (富士通デザイン) どうやったら企業内のデザイン部門から出たアイデアを、実際のビジネスにつなげられるか? ある場所を借りたいが、総務部門からは、賃借料の100倍の費用を出せばいいよ、と言われている。

A. (遠山さん)熱意を持って。自信を持って。ビジョンを持って。あえて遠いポジションからやると良い。
(水口さん)相談する部門を変えてみては?

 

所感

水口さんのお話は、”Wants” を “インサイト” と言い換えると、ユーザーインサイトを探すのはデザイナーとしては当たり前のこと。「どうやってインサイトを発見するか」という突っ込んだ話をもう少し聞きたかった。

一方、遠山さんは最後に変な話をしていた。サソリとカメの話。

ある日サソリがカメの上に乗って孤島から脱出しようとしたが、海の半ばでカメを指して殺してしまい、自分も死んでしまった。

カメ「な、なぜ、、、?」

サソリ「それが、俺の性だからさ。。。」

「こういう本能に抗えないような話の方が、論理的な話よりも信用しちゃう。」

こうおっしゃっていたのが印象的だった。

 

結果、セミナーとしてはまとまりがなかった気がしますが、面白かったのでよし。

 

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  • Hiroki Hosaka

    メーカー→ベンチャー勤務のUXデザイナー。このブログではデザインやUXに関するクリエイティブネタを発信しています。さらに詳しいプロフィールはこちら

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