Moneytree創業者が語る、10年後を見据えたビジネスモデル
先日、「非ゲーム系アプリ ビジネスモデル最前線」というイベントに参加してきました。
面白いお話がいくつもあったのですが、このブログではその中から2つ、面白かったものを共有したいと思います。
今回:Moneytree創業者が語る、10年後を見据えたビジネスモデル
次回:DeNA プロジェクトオーナーが語る「マンガボックス」のUI・企画・ビジネスモデル
Moneytreeとは
Moneytreeは銀行やクレジットカードなどの明細を一つに集約し、iPhoneとiPadから口座残高と利用状況が手軽に確認できるアプリです。AppStore best of 2013 にも選ばれました。
このアプリは日本向けのサービスですが、ファウンダー3人は皆外国人。日本に長く滞在していて、「なんでこういうアプリないのか?」という疑問から生まれたのだそうです。
ファウンダーの一人、Mark Makdad氏が流暢な日本語でMoneytreeのビジネスモデルを説明してくれました。
※写真はMoneytreeのブログより引用:Moneytreeのミッションとは ~ Q&A Part IV | マネーツリー moneytree.jp
[2014年5月6日追記] Moneytreeのサイトがリニューアルされたため、上記リンクのブログ記事がなくなってしまったようです。
Financial Technology (FinTech)
photo credit: photosteve101 via photopin cc
FinTech という言葉を初めて聞きました。文字通り、金融サービスを提供する技術のこと。
MoneytreeはこのFinTechを活用したアプリです。
“Software is eating the world”というマーク・アンドリーセンの言葉がありますが、マネー業界もまたソフトウェアによって再定義できると思い立ち、Moneytreeを創業したとのこと。
その背景としては、日本はまだまだ「現金」社会だという事実があります。
現金以外のお金(電子マネーやクレジットカード)の利用率は日本が37%なのに対し、アメリカは60%。逆にこれが日本市場でのチャンスだとマクダッド氏は言います。
お金がすべて電子化されれば、「いつ」「どこで」「何に」「いくら」使ったかがデータとして残るようになり、Moneytreeのような自動家計管理アプリはどんどん需要が伸びていきます。
「これから10年間使われるサービスを目指している」と宣言していたのが印象的でした。
ビジネスモデル
まだまだ成長のS字カーブの導入期にいるとのこと。いまはユーザーを増やしている段階。課金はこれから。
ニーズの確認 → サービス・商品化 → 急成長・課金スタート → 課金やコストの最適化
という流れを予定しているそうです。
また、最も心配されるセキュリティ面では、信頼できる第三者による保証を得ており、問題無いと胸を張っていました。
日本で次にチャンスがありそうな業界は?
質疑応答では、表題の「日本で次にチャンスがありそうな業界は?」という質問がありました。その答えは、「不動産業界」。
物件を検索する際、異なるサイトにどうしていちいち同じ希望条件を入力しなければならないのか、という不満がずっとあるそうです。最近それを解決するベンチャーが立ち上がったことを知り、応援しているとのことでした。
学んだこと
・FinTechという言葉とその意味
・成長のS字カーブ
・マーク・アンドリーセンの言葉”Software is eating the world”
なかなかアプリのビジネスモデルの話を聞くことがないため、たった15分の講演ではありましたが参考になりました。